トレーニングを続けていくと、「できること」や「知識」が少しずつ増えていきます。姿勢の意識、呼吸、回数のコントロール、テンポ、ちょっと難しいバリエーションなど、いわば“自分のツールボックスに道具が増えていく”状態です。これ自体はとても良いことなのですが、実は引き出しが増えるほど出てくる悩みがあります。それは——「全部やりたくなる」ということです。
せっかく覚えたからあれもやりたい、これも試したい。気持ちはよく分かります。でも、身体のトレーニングにおいては「順番」がとても大事です。土台がまだ整っていない段階でいろいろ詰め込みすぎると、逆効果になってしまうこともあります。だからこそ、必要なものだけを選ぶ“我慢”がとても重要になります。
今年サポートしてきたメンバーさんを見ていても、シンプルなことをコツコツ続けた方ほど、着実に階段を上っています。フォームが安定してきた、扱える重さが増えた、疲れにくくなった、姿勢が変わってきた——こういった変化は派手ではなくても本物の成長です。もし途中で「あれもこれも」と手を出していたら、どれも身につかず遠回りになっていたかもしれません。
まさに「急がばまわれ」。遠回りに見える積み重ねこそ、実は一番の近道です。スモールジムでメニューを絞り、姿勢や土台づくりを大切にするのは、無駄なく・安全に・確実に変わるための方法だからです。
引き出しが増えるほど迷いも増えますが、大事なのは“選ぶこと”。今日はその一歩を一緒に積み上げていきましょう。